夫婦関係の悪化や離婚話の背景には、次のような感情がよく見られます。
- 「自分は認められていない」
- 「努力が報われていない」
- 「大切にされていない」
これは心理学で言う承認欲求、つまり「自分の存在や行動を認めてほしい」「大切にされたい」という基本的な欲求が満たされていない状態です。
この欲求が満たされないと、相手は無意識に距離を取り、冷淡になったり、外に承認を求めたり(浮気・過干渉・仕事への没頭など)しやすくなります。
パートナーの承認欲求を満たす簡単な習慣 5つ
1. 毎日ひとつ「ありがとう」を言葉にする
2. 相手の「当たり前」を認める
3. 相手の選択や意見を尊重する
4. 相手の話に「共感+肯定」を返す
5. 相手の変化や努力を言葉にする
【注意点】
- 期待や条件をつけない
「ありがとう」を言った後に「でも〇〇はまだ直してくれない」と続けない。 - 変化を急がない
承認欲求が満たされても、すぐに相手の態度や関係が劇的に変わるとは限らない。
継続することが重要。
目次
毎日ひとつ「ありがとう」を言葉にする
人間関係において、感謝されること=自分の存在や行動が認められることです。とくに夫婦関係では、感謝の言葉が「この関係にはまだ価値がある」というメッセージになります。
心理学でも「感謝の表現はポジティブな感情を増やし、対立や不満を和らげる効果がある」と証明されています。
しかも、一度「ありがとう」と言っただけでなく、毎日習慣的に続けることで、お互いの心の距離が縮まっていきます。
なぜ「毎日ひとつ」でいいのか
- ハードルが低いので、無理なく継続できる
- 小さな積み重ねが信頼関係の修復につながる
- 相手も「自分も言おうかな」と思いやすくなる(好意の返報性)
一度にたくさん言おうとせず、まずは「1日1つ」に絞ることが成功のコツです。
実践方法
1. 小さなことに感謝する
特別なことだけを探そうとせず、日常の当たり前の行動に注目します。
- ごみを出してくれた →「ごみ出しありがとう」
- 仕事に行ってくれた →「毎日仕事に行ってくれてありがとう」
- 子どもを迎えに行ってくれた →「助かったよ、ありがとう」
どんなに小さな行動でもOK。
2. タイミングを意識する
感謝の言葉は相手がリラックスしているタイミングで伝えると効果的です。
おすすめのタイミング:
- 朝出かける前
- 夕食のとき
- 帰宅後
- 就寝前
突然思い出したときでもOK。「今言おう」と思った瞬間にすぐ伝えるのが大事です。
3. できれば具体的に伝える
ただ「ありがとう」と言うより、何に対して感謝しているかを具体的に伝えると、相手に伝わりやすいです。
×「ありがとう。」
○「夕飯作ってくれてありがとう。おいしかったよ。」
4. 感情を込める
言葉だけでなく、少し笑顔を見せる、穏やかなトーンで言うなど感情も込めると、より効果が高まります。
【注意点】
- 条件付きの感謝にしない
「ありがとう。でも〇〇はまだ直してね」という言い方は逆効果です。
まずは純粋な感謝だけを伝える。 - 期待しすぎない
相手からすぐに「ありがとう」が返ってこなくても、まずは自分から続けることが大切。
習慣化のコツ
- スマホのリマインダーを設定する
「夜8時に今日のありがとうを言う」とセットしておく。 - 手帳やカレンダーに記録する
できた日は〇をつけるとモチベーションが維持しやすい。
相手の「当たり前」を認める
長く一緒に生活していると、相手がしてくれる行動が徐々に当たり前になり、意識しなくなります。特に結婚生活や同居が長いと、次のような心の変化が起きやすいです。
- 最初:「手伝ってくれて助かる」→ 感謝
- 数年後:「やって当然でしょ」→ 無関心や不満
この「当たり前感覚」が積み重なると、相手は『自分の努力や存在が認められていない』と感じ、愛情や信頼が冷えていきます。
夫婦カウンセリングでも、関係悪化の大きな原因として「貢献の軽視」が頻繁に指摘されます。
「当たり前」を認める実践方法
1. 相手の日常行動を書き出す
まず、相手が普段していることを意識的にリストアップしてみましょう。
- 出勤して収入を得ている
- ゴミ出し
- 食器洗い
- 子どもの送り迎え
- 家計管理
- 病院や保険の手配
- 家庭内の修理や掃除
書き出すと、改めて相手の役割や努力に気づくことができます。
2. 小さな行動に「気づき」を示す
「ありがとう」を言うのが理想ですが、まずは気づいていることを一言伝えるだけでも効果があります。
- 「ゴミ出してくれてたんだね。」
- 「子どもの送り迎え、いつも助かってるよ。」
- 「夕飯の後片付け、気づかなかったけどやってくれてたんだね。」
→ これだけでも、相手は自分の行動を見てもらえている・認めてもらえていると感じます。
3. 「当然」「普通」という考え方を手放す
相手の行動を「やって当たり前」と感じる背景には、次の思考があります。
- 「夫(妻)なんだからやって当然」
- 「前からそうだったし」
- 「私もこれくらいやっている」
この思考を持つと、感謝や認識の言葉が出なくなります。
→ 「どちらが多くやっているか」ではなく、お互いの貢献を認め合う姿勢が大切です。
4. 「前と比べる」のではなく「今の行動」を見る
相手が以前よりやってくれなくなったと感じても、今してくれている行動に注目します。
「昔ほど家事はしなくなった」→「でも今日は皿を洗ってくれた」
「前はもっと優しかった」→「でも今日は子どもの送り迎えに行ってくれた」
【注意点】
- 評価しない(少ない・多いを比べない)
相手の行動を「十分か不十分か」で判断すると、認める気持ちが薄れます。 - 行動を具体的に言葉にする
「いつもありがとう」より「〇〇をしてくれてありがとう」と具体的な行動を指摘した方が、認められている実感が強くなります。
相手の選択や意見を尊重する
夫婦関係が悪化しているとき、多くの場合相手の選択や考えを否定するやり取りが無意識に増えています。
- 「なんでそんなこと考えるの?」
- 「そのやり方は間違ってる。」
- 「前も失敗したじゃない。」
これを繰り返すと、相手は「自分の考えや価値観は認めてもらえない」「どうせ何を言っても無駄だ」と感じ、心を閉ざすようになります。
逆に、選択や意見を尊重することで、相手は「自分はパートナーから信頼されている」「受け入れられている」と感じ、心を開き始めます。
尊重する具体的な方法
1. まず「聞く姿勢」を持つ
意見が正しいかどうかを判断する前に、相手の考えを最後まで遮らずに聞くことが基本です。
相手:「別居を考えたいんだ。」
あなた:「そう考えた理由を、まず聞かせてもらえるかな。」
否定せず、「あなたの気持ちや考えを理解したい」という姿勢を示す。
2. 相手の意見を一度受け止める
意見に全面的に賛成しなくても構いません。まずは「そう考えるのも分かる」という反応を返すことが大切です。
「その考え方も理解できるよ。」
「そう思うのも無理はないね。」
「たしかに、そういう視点もあるね。」
3. 小さな決定でも「相手の選択」を尊重する
日常の細かい選択(夕食のメニュー、休日の過ごし方など)でも、相手の判断を認める言葉を意識的に使います。
「その提案、いいと思うよ。」
「あなたがそう決めたなら、信頼してる。」
これを繰り返すと、相手は「自分の判断が受け入れられている」と感じ、関係に対する安心感が育ちます。
4. 意見が違うときも「否定」ではなく「自分の希望」として伝える
悪い例(否定):
「そんなのは間違ってる。」
「どうせうまくいかない。」
良い例(希望):
「あなたの考えも理解できる。私はもう少し〇〇のやり方がいいかなと思ってるけど、どうだろう?」
「違う」と否定せず、自分の考えを対等な意見として提案する。
尊重の効果
- 相手が防衛的にならず、本音を話しやすくなる
- 夫婦間に信頼と安心感が生まれる
- 相手もあなたの意見を尊重しやすくなる(好意の返報性)
【注意点】
- 尊重=全面的に従うことではない
意見や選択を認めつつ、自分の希望や不安も丁寧に伝えるのが理想です。 - 「相手を変える」意図を手放す
尊重は相手をコントロールする手段ではありません。相手に自由な判断をしてもらうこと自体が目的です。
相手の話に「共感+肯定」を返す
夫婦間の会話で、特に離婚や別居の危機に直面している場合、相手は「自分の気持ちや考えを理解してもらえない」という不満や孤独を感じています。
このとき、
- 意見や行動の正しさを評価・判断するより
- 感情や考えを「分かるよ」と受け止める
これが、相手の心を開かせる第一歩になります。
共感+肯定は、「私はあなたを理解しようとしている」「あなたの感じ方を認めている」というメッセージです。これによって、相手は防衛的な態度を和らげ、対話を続けやすくなるのです。
共感+肯定の基本フレーズ
【共感】相手の気持ちに寄り添う
- 「それはつらかったね。」
- 「そんなふうに感じるのは当然だよ。」
- 「その気持ち、よく分かるよ。」
- 「私も同じ立場だったらそう思うかもしれない。」
【肯定】相手の考えや努力を認める
- 「その考え、すごく分かる。」
- 「あなたなりにいろいろ考えてくれてたんだね。」
- 「そう思うのも無理はないよ。」
- 「その判断、私は尊重するよ。」
注意:肯定は「賛成」とは違います。
相手の考え方や感じ方を理解・認めているという意味です。意見の一致は必須ではありません。
実際の会話例
相手:
「最近、私ばかり家事をしていて疲れてる。」
悪い返答:
「それはお互い様でしょ。」
「忙しいんだから仕方ないだろ。」
良い返答(共感+肯定):
「そっか、それはつらかったよね。毎日頑張ってくれてるの、気づいてるよ。」
「そんなに疲れてたんだね。どうすれば少しでも楽になるかな?」
効果的に使うコツ
反論やアドバイスを急がない
→ 相手が「理解してもらえた」と感じる前に、解決策を言うのは逆効果。
共感・肯定のあとに自分の希望を伝える
例:「大変だったんだね。私もできるだけ手伝うようにするよ。」
相手の言葉を反復・言い換えして返す
例:「つまり、最近は家事を一人で抱えて大変だったんだよね。」
【避けるべき対応】
- 「でも」「だけど」で否定を始める
(例:「そう思うのは分かるけど、それは君にも責任がある」) - アドバイスや解決策をすぐ提示する
- 相手の感情を軽視・無視する
相手の変化や努力を言葉にする
夫婦関係が悪化しているとき、特に離婚や別居の危機にある場合、相手はこんな心理状態になっていることが多いです。
- 「自分の努力は見てもらえない」
- 「何をしても変わらないと言われる」
- 「どうせ批判されるだけ」
この心理状態では、たとえ相手が関係を改善しようと少し努力しても、「どうせ気づいてもらえない」「無駄だ」と感じてやめてしまう可能性が高いです。
逆に、わずかな変化や努力でも認めて言葉にすると、相手のモチベーションが高まり、より良い行動が増えていきます。これが夫婦関係改善の好循環の第一歩です。
どんな変化や努力を言葉にすればいいのか
完璧な改善や大きな変化を待つ必要はありません。
ほんの小さなことを言葉にするのがポイントです。
【例】相手がしてくれた小さな努力
- 以前より少し早く帰ってきた
- こちらの話にうなずいてくれた
- 家事を手伝った
- 子どもに優しく声をかけた
- イライラする場面でも冷静に対応した
【例】相手の変化
- 会話のトーンが少し柔らかくなった
- こちらに質問をしてきた(関心を示した)
- 家の中のことに以前より目を向けた
具体的な言葉の例
- 「最近、〇〇してくれてるの気づいてるよ。ありがとう。」
- 「前より〇〇しようとしてくれてるよね。嬉しいな。」
- 「この間〇〇してくれて助かった。ありがとう。」
- 「ちょっとしたことかもしれないけど、私はありがたく思ってる。」
伝え方のコツ
- 気づいたら早めに言葉にする
(時間がたつと相手は「やっぱり気づかれなかった」と思ってしまいます) - 行動を具体的に伝える
(「ありがとう」だけでなく、「〇〇をしてくれてありがとう」と言う) - 努力の大小を評価しない
(「それくらい当然だ」と思っても、まずは感謝と認識を伝える) - 相手のペースを尊重する
(変化が遅くても焦らず、続けて認める)
【注意点】
- 批判を混ぜない
(例:「〇〇してくれてありがとう。でもまだ足りない。」→これはNG) - 変化を求めすぎない
(相手の努力に「次はもっとこうして」とすぐ要求しない)
離婚への知識、心理を十分理解したら離婚回避行動をいち早く実行する必要があります。具体的な離婚回避行動に移行して離婚を回避しましょう!
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