相手が「離婚したい」と言うと、どうしても表面的な理由(例えば「性格の不一致」「価値観の違い」「家事をしない」「浮気」など)にばかり意識が向きます。
しかし、その背後には感情や未解決の欲求、本当の動機が隠れている場合がほとんどです。
「あなたは家事をしない」→ 本音:私は尊重されていないと感じて孤独
「価値観が違う」→ 本音:自分の気持ちを理解してもらえない寂しさや不満
この本音を探らないまま問題を表面的に処理しようとすると、根本的な解決には至りません。逆に、本音が分かれば「本当に相手が望んでいるもの」を知り、関係修復の糸口が見えます。
離婚理由の「本音」を探る3ステップ
ステップ1:相手の言葉を「感情」「欲求」「行動」に分類して聞く
ステップ2:「なぜそれが問題なのか?」を繰り返す(なぜなぜ法)
ステップ3:共感しつつ確認する(反復+確認)
- 「その状況になると、あなたはどんな気持ちになる?」
- 「それが繰り返されると、どんなことを考える?」
- 「理想的には、どうなっていてほしかった?」
- 「どういうときに、私があなたの気持ちを理解していると感じますか?」
これらは感情と欲求に焦点を当てた質問であり、単なる理由や事実確認とは違います。
【注意点】
- 相手を説得しようとしない(まず聞くことに徹する)
- 相手の答えに反論しない(意見の違いを感じても受け止める)
- 感情的な防衛反応を避ける(否定や批判は禁物)
目次
相手の言葉を「感情」「欲求」「行動」に分類して聞く
相手が離婚したい理由や不満を語るとき、表面的な行動や出来事を挙げることが多いです。
「あなたは家事をしない」「話を聞いてくれない」「すぐ怒る」など。
しかし、本当に重要なのはその裏にある感情と欲求です。相手がどんな気持ちで、何を求めているのかを理解しなければ、いくら行動を直しても根本的な解決にはなりません。
分類して聞くことで、相手が自分でも気づいていない本音に近づくことができます。
3つの分類の意味
分類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
感情 | 相手が感じている気持ち | 怒り、悲しみ、孤独、不安 |
欲求 | 相手が本当に求めているもの | 理解されたい、尊重されたい、安心したい |
行動 | 相手が不満に思っている具体的な出来事 | 家事をしない、話を聞かない、遅く帰ってくる |
実践の手順
1. 相手の言葉をまずそのまま受け取る
「あなたは家事をまったくしない。」
この発言は行動を指摘しています。
2. 感情を推測する
「家事をしない」という不満の背景にどんな感情があるのか想像します。
→「怒り」「悲しみ」「疲労」「孤独」など。
(もし分からなければ、「そのとき、どんな気持ちだった?」と優しく尋ねます)
3. 欲求を探る
相手は何を望んでいるのか?
→「協力してほしい」「尊重されたい」「努力を認めてもらいたい」など。
4. 確認する
推測が正しいか相手に聞く。
「つまり、私が家事を手伝わないことで、あなたは一人で抱え込んでいるように感じて、寂しくなっているのかな?」
相手:「あなたはいつも遅く帰ってきて、私のことなんて考えていない。」
分類 | 内容 |
---|---|
行動 | 遅く帰ってくる |
感情 | 寂しさ、不安、怒り |
欲求 | 一緒に過ごしたい、理解してほしい |
あなた:「遅く帰ってくることで、私があなたの気持ちや寂しさをわかっていないと感じているんだね?」
このように返すことで、相手も「自分の本音をわかってもらえた」と感じやすくなり、感情的な対立が和らぎます。
- 感情と欲求を無視すると、会話は行動の批判合戦になる(例:「お前も家事をしていないじゃないか!」)
- 感情と欲求を意識すると、問題が「対立」から「理解」へと変わる
「なぜそれが問題なのか?」を繰り返す(なぜなぜ法)
離婚を切り出されたとき、相手の理由を聞くと多くの場合は表面的な不満が出てきます。
「あなたは家事をしない」
「話を聞いてくれない」
「価値観が合わない」
これらは表面的な「出来事や行動」であり、本当の問題や本音とは限りません。相手自身も、自分の本音をうまく言葉にできていないケースがとても多いのです。
そこで有効なのが「なぜなぜ法」です。理由を繰り返し深掘りすることで、本当に相手が感じている問題や欲求を引き出します。
「なぜなぜ法」の進め方(5つのステップ)
ステップ1:相手の主張を受け止める
まず、相手の言葉を反論せず受け止めます。
「家事をしないのが不満なんだね。」
ステップ2:「なぜそれが問題?」と穏やかに尋ねる
「なぜ家事をしないことがあなたにとってそんなに問題なの?」
トーンはあくまで「知りたい」「理解したい」という柔らかい姿勢。
ステップ3:相手の答えを聞き、さらに掘り下げる
相手:「私ばかりが家事をしていて疲れるから。」
あなた:「なるほど。なぜ疲れるのがそんなに辛いんだろう?」
相手:「私のことをあなたが気にかけていないと感じるから。」
ステップ4:感情を引き出す
あなた:「それって、どんな気持ちになる?」
相手:「孤独で、私なんてどうでもいいのかと思ってしまう。」
ステップ5:本音の確認
あなた:「つまり、あなたは家事の負担そのものより、私があなたの努力をわかっていない・大切にしていないと感じて寂しいんだね。」
この時点で、「家事をしない」という行動の奥にある欲求(理解されたい、尊重されたい)と感情(寂しさ、不安)が明確になります。
なぜ5回程度繰り返すのか
トヨタ自動車の問題解決法でも知られる「なぜを5回繰り返す」技術は、人間の思考パターンに基づいています。
1〜2回の「なぜ」では表面的な理由しか出てこないため、5回程度掘り下げることで本質にたどり着くと考えられています。
【質問のコツ】
- 決して責める口調にならない
- 相手の答えに毎回共感を示す(「なるほど」「それは辛かったね」など)
- 急がず、相手が言葉を探す時間を待つ
【避けるべき対応】
- 「なんでそんなことくらいで怒るの?」(相手の気持ちを否定)
- 「それはあなたの考えすぎだ」(軽視)
- 「だからどうしたの?」(攻撃的)
これらは本音の開示を妨げます。
共感しつつ確認する(反復+確認)
夫婦の対話、特に離婚を考えるほど深刻な話し合いになると、
- 相手の言葉を「分かったつもり」で受け取ってしまう
- 相手が「ちゃんと理解してくれた」と感じられない
というすれ違いが非常に起こりやすくなります。共感しつつ反復し、確認することで、次の効果があります。
- 相手が「理解された」と感じる
- 誤解や思い込みを防ぐ
- 話し合いを冷静に続けられる
「反復+確認」の基本ステップ
ステップ1:相手の発言を要約する(反復)
相手の言葉を、自分なりの言葉に少し言い換えて返します。
単純に繰り返すのではなく、「あなたの言いたいことはこうだよね?」と要約するのがポイントです。
相手:「あなたは家事をしないから、私はいつも一人で全部やっていてつらい。」
あなた:「つまり、私が家事を手伝わないことで、あなたがすごく負担を感じているということかな?」
この時点で、相手は「そう、それ!」と思えば心が和らぎます。
ステップ2:共感の言葉を添える
相手の気持ちに寄り添う言葉を加えます。
「それは本当に大変だったよね。」
「そんな風に感じていたなんて、気づかなくてごめん。」
ここで自分の非を全面的に認める必要はありません。相手の感情を理解する姿勢を示すだけで十分です。
ステップ3:確認する
反復した内容が正しいか、相手に確認します。
「もし私の理解が違っていたら、教えてくれる?」
「他にも伝えたい気持ちがあれば聞かせて。」
相手:「あなたはいつも遅く帰ってきて、私のことなんてどうでもいいんでしょ。」
あなた:
「遅く帰ることで、私があなたのことを大切に思っていないと感じてしまっている、ということかな?」
「もし間違っていたら教えて。あなたの気持ちをちゃんと知りたいんだ。」
【注意点】
- 機械的にオウム返ししない
→ 相手はすぐに「適当に返している」と感じてしまいます。 - 相手の感情を自分の言葉で要約する
→ 自分が本当に理解しようとしていると伝わります。 - 反論や説明を急がない
→ 相手の話を十分に理解するまで、自分の意見は控えます。
【なぜ「反復+確認」で心が開くのか】
心理学的に、人は自分の感情や考えを理解してもらえたと感じると、防衛的態度が和らぐと言われています。
とくに、離婚話のようにお互いが傷ついている場面では、理解されること自体が「対立」から「協力」への転換点になります。
離婚への知識、心理を十分理解したら離婚回避行動をいち早く実行する必要があります。具体的な離婚回避行動に移行して離婚を回避しましょう!
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