離婚したいと言われたら?最初に取るべき行動

パートナーから「離婚したい」「もう無理」「別れよう」と言われたとき多くの人が感情的な否定・説得・謝罪・改善提案に走ってしまいます

しかしこの時期、相手の心理状態は「自由を守りたい」「これ以上傷つきたくない」という防衛と逃避でいっぱいです。ここでの対応が関係修復の成否を決定づけます

【最初に取るべき行動|絶対守るべき基本方針】

■ ① 「否定」「説得」「改善提案」をしない

NG対応例

  • 「離婚なんて考え直して」
  • 「どうしてそんなこと言うの?」
  • 「もっと努力するから」
  • 「カウンセリングに行こう」

理由

  • 相手の「自由」と「決断権」を奪う行動と感じられ、防衛反応(リアクタンス)が急上昇する
  • 心理的安全が完全に崩れ、以降の話し合いの土台を失う

■ ② 感情的反応(泣く・怒る・責める)を避ける

NG反応例

  • 「なんでそんな酷いこと言うの!」(怒り)
  • 「私が悪かったんだよね?」(過剰な謝罪)
  • 「子どものことも考えて!」(責任を負わせる)

理由

  • 相手は「これ以上、誰かの感情や責任を背負いたくない」と感じている
  • 感情の押しつけは心理的自由の侵害となり、離婚意志を固める原因になる

■ ③ 「わかった」と一旦受け止め、沈黙を守る

OK対応例
「わかった。突然の話で驚いてるから、少し考えさせて」

理由

  • 相手の「決断権」「自由」を尊重する姿勢を示す
  • 心理的リアクタンスを抑え、防衛反応を悪化させない
  • この沈黙が「心のスペース」「逃げ場」を与える

【最初の行動後|具体的なステップ】

ステップ① 感情的な接触を控え、生活上の最低限の会話のみ
ステップ② 生活上の接点・行動の承認を継続
ステップ③ 相手の自由と心理的安全を守りながら、小さな共同作業・お願いを少しずつ増やす

【相手の心理状態|離婚を言い出したときの本音】

表面的な言葉:「もう無理」「離婚したい」「一緒にいたくない」

内心の本音(典型例)
  • 「これ以上責められたくない」
  • 「自由と自分の尊厳を守りたい」
  • 「努力しても報われないと感じている」
  • 「まだ迷いもあるが、関わると傷つくから逃げたい」

本音は「逃げ場の確保」や「自由の主張」であって、本当に離婚を心から望んでいるとは限らない。

【やってはいけない「最初の5つの行動」】

行動 悪影響
離婚否定・説得 防衛反応とリアクタンスを強化
泣き・怒り 相手の心理的自由を奪う
改善提案・条件交渉 責任負担と圧力を感じさせる
過去の蒸し返し 自尊心の損傷と学習性無力感
第三者の意見を持ち出す 孤立感・批判感情の強化

感情的な接触を控え、生活上の最低限の会話のみ

パートナーから「離婚したい」と言われた直後や、関係悪化が深刻な段階では、感情的な接触(気持ちの確認・説得・謝罪・怒り・泣き)を完全に控えることが最も重要です。

この時期、相手は自由と心理的安全を求め、防衛的シャットダウン(心の遮断)や逃避に入っており、感情のやりとりそのものを「脅威」「プレッシャー」と感じています

【なぜ感情的接触を控える必要があるのか?(心理メカニズム)】

① 【心理的リアクタンス(反発心)を避ける】

  • 感情の確認や表現(「どうして?」「まだ好き?」など)は、相手の自由を脅かす行為と受け取られる
  • 自由を守ろうとする防衛反応(リアクタンス)を刺激し、心をさらに閉ざさせる

② 【相手の防衛的シャットダウンを悪化させない】

  • 相手は「これ以上傷つきたくない」「考えたくない」と感情回避中
  • 感情的接触を試みると、無反応・無視・逃避行動が強まる
  • 話し合いを避ける傾向が固定されてしまう

③ 【感情的なやりとりは「責任・決断」の圧力になる】

  • 感情を共有すると、「決断(離婚する/しない)」を求められていると感じる
  • その責任を負いたくない心理から逃避が悪化

【生活上の最低限の会話とは?】

特徴

  • 事実伝達のみ
  • 返事がなくても成立
  • 感情・感想・期待を含まない

【OK会話例】

内容 例文
生活連絡 「ゴミの日は明日だよ」
子ども関連 「○○の学校、明日は遠足」
お金・手続き 「家賃引き落とし済んだ」
外出連絡 「今からスーパー行ってくるね」

要件伝達+肯定的な一言(ありがとう・助かる)を添えるとさらに効果的。

【NG会話例(感情的接触)】

発言 理由
「最近どう思ってる?」 感情確認=圧力
「いつまでこの状態続けるの?」 決断責任の押しつけ
「努力するから考え直して」 改善要求=プレッシャー
「私のこと嫌い?」 自由と安全を奪う

【反応がなくても「成功」と考える理由】

  • 無反応=拒絶ではなく心理的安全を探しているサイン
  • 話しかけられても「安全だ」と感じられる経験を積ませることで、反応(うなずき→単語返事→短文返事)に進化する

【この段階での目標】

  • 心理的安全の回復
  • 「一緒にいても責められない・自由がある」という実感を持ってもらう
  • 会話の再習慣化(返答不要→単語→短文)

【次の段階に進むタイミング】

次の行動(Yes/Noで答えられる質問・小さなお願い)に移るのは、以下のサインが出たとき:

  • 相手が短い返答を返すようになった
  • 表情や態度がやや柔らぐ
  • 自発的な情報提供(生活連絡)が出る

これまでは「受け入れる→安全」と思ってもらう準備期間。焦らないことが重要。

感情的反応(泣く・怒る・責める)を避ける

パートナーから「離婚したい」「もう無理」と言われた瞬間、多くの人が泣く・怒る・責めるという感情的反応を自然に示してしまいます

しかし、この反応は相手の防衛本能(心理的リアクタンス)を最大限に刺激し、「やはり別れるしかない」という決意を固めさせる最大のリスク行動です。

【なぜ感情的反応を避けなければならないのか?(心理メカニズム)】

① 【相手の自由と安全を奪う行為と感じられる】

  • 泣く=「あなたは私の感情責任を取るべき」という無言のプレッシャー
  • 怒る=相手の自由な決断や考えを否定
  • 責める=「行動や態度を変えろ」という圧力

自由と自尊心を脅かされたと感じ、心理的リアクタンス(反発心)が発動。

② 【防衛的シャットダウンを強化する】

  • 「これ以上、誰かの感情に振り回されたくない」という逃避本能が働く
  • 心を閉ざし、会話・行動・接触すべてを制限する

③ 【過去の失敗記憶を再活性化させる】

  • 感情的反応を見ることで、過去の責め・衝突・不和の記憶が呼び起こされる
  • 「また同じことの繰り返し」「もう終わらせよう」という決意を固める

④ 【「決断は正しい」という自己正当化を誘発

  • 相手は「離婚を決断したのは間違っていない」と自分に言い聞かせ始める
  • 感情的反応を見ることで、「やはり自分は間違っていなかった」と確信を深めてしまう

【よくある感情的反応と言葉】

感情 典型的な言葉 相手の感じ方
泣く 「どうしてそんな酷いこと言うの…」 自由を奪われた・感情を押しつけられた
怒る 「ふざけないで!離婚なんて絶対認めない!」 否定された・反発したくなる
責める 「全部あなたのせいでしょ?」 責任を押しつけられた・逃げたくなる

【感情的反応が与える悪循環】

あなた:泣く・怒る・責める

相手:リアクタンス→防衛的シャットダウン・無視・逃避

あなた:さらに感情的になる(無反応に不安・怒り)

相手:「やはり離婚が正解」という決断の固定

一度発動すると、関係修復の可能性が急激に低下。

【あなたが取るべき正しい対応】

■ ① 感情を「その場」で抑える

  • 深呼吸・その場を離れる(トイレや別室へ)
  • その場で泣かない・怒らない・責めないを最優先

■ ② 感情表現は「自分語り」に限定

【OKフレーズ例】

「驚いて言葉が出なかった」
「正直、今はまだ頭の整理がついていない」

相手の自由を尊重しつつ、自分の感情を説明する(責めない)。

■ ③ 反応の主導権を相手に渡す

  • 「少し考えさせて」
  • 「あなたの考えはわかった。急がなくていいから話せるときでいい」

相手に「心の自由」「決断の余白」を与える。

【変化の兆候】

  • 相手の無反応・怒りがやや和らぐ
  • 防衛的シャットダウンの緩和(単語返事や視線の変化)
  • 生活上の最低限の会話や行動共有が再開される

この段階で次のステップ(返答不要の情報共有・事実+感謝の会話)へ進める。

相手の自由と心理的安全を守りながら、小さな共同作業・お願いを少しずつ増やす

離婚危機や家庭内別居、心のシャットダウン状態からの関係修復では、①感情的接触の停止 → ②生活連絡と事実+感謝 → ③行動の接点(共同作業)という順序がとても重要です。

ここでの小さな共同作業やお願いは、単なる「家事のお願い」以上に、「私はあなたの自由と尊厳を奪わず、でも一緒に生きようとしている」というメッセージになります。

【なぜ共同作業・お願いを増やすのか?(心理メカニズム)】

① 【行動と肯定的結果の再学習】

  • 相手は防衛反応や学習性無力感により、「行動=否定される」「反応しても無駄」と思い込んでいる
  • 小さなお願い→実行→「ありがとう」「助かった」のポジティブ反応があることで、
    行動と肯定的結果の関連づけを脳が再学習する

② 【心理的自由を守ると、防衛反応が出ない】

  • 小さく・限定されたお願いは、「断る自由」が明示されていると感じられる
  • 「やってもいい」「断っても責められない」という余白が心理的安全につながる

③ 【会話より行動の方が心理的負荷が低い】

  • シャットダウン状態では、言葉による感情共有は大きな負担
  • 無言でも成立する共同作業は、心理的距離を縮める最も自然な手段

【実践|お願いする内容の条件】

条件 内容
小さい 5分以内に終わる・複雑でない
具体的 「これ」「それ」ではなく明確に
感情負荷ゼロ 相手の気持ちや過去を問わない
成否に関わらず承認 やってくれたら感謝、断られても責めない
お願い例|段階別

■ 初期(反応がほぼゼロ)

  • 「ゴミ出しお願いできる?」
  • 「牛乳買ってきてもらっていい?」
  • 「この荷物、一緒に運んでくれる?」

断られても「いいよ、無理なら大丈夫」と返す。

■ 中期(単語返事・短文返事が出始めた頃)

  • 「○○(子ども)の送り、手が空いてたらお願い」
  • 「スーパー行くけど何か要る?」
  • 「○○(ペット)のご飯お願いできる?」

成功したら「ありがとう」「助かった」を必ず添える。

■ 後期(自発的行動や簡単な提案が出始めた頃)

  • 「食事の配膳、一緒にできる?」
  • 「庭の草抜き手伝ってくれる?」
  • 「次の休みに一緒に○○(短時間の外出)できそう?」

ここでも断られても責めず、自由を保証する言葉を必ず加える。

【やってはいけないお願い】

行動 理由
感情共有を伴う(「話し合いたい」「気持ちを聞かせて」) 防衛反応を強化
決断を迫る(「もう一度やり直すなら○○して」) リアクタンス(反発心)を誘発
比較や過去を蒸し返す 自尊心を損傷

【変化のサイン】

  • 断られる頻度が減る
  • 返事が単語→短文に変わる
  • 自発的な手伝い・行動が出始める
  • 作業中の雰囲気が柔らぐ(無言でもOK)

これが次の段階(未来の共有・感情共有)の土台となる。

離婚への知識、心理を十分理解したら離婚回避行動をいち早く実行する必要があります。具体的な離婚回避行動に移行して離婚を回避しましょう!

 

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