離婚問題に直面すると、感情の整理ができなかったり、夫婦で冷静に話し合うことが難しくなったりします。
こうしたときに大きな支えとなるのが「心理カウンセラー」の存在です。カウンセリングを上手に活用すれば、感情の混乱を落ち着かせ、関係修復の糸口を見つける手助けになります。
ただし、カウンセラーは誰を選んでも良いというわけではなく、「目的に合った人」を探すことが重要です。
ここでは、離婚回避のために心理カウンセラーを見つける具体的なステップを、できるだけ簡単にわかりやすく説明します。
目次
1. まず「目的」をはっきり決める
カウンセラーを探す前に、なぜ相談したいのかを明確にしておくと、ミスマッチを防げます。
目的によって、選ぶべきカウンセラーの専門や相談形式が変わるからです。
よくある目的は以下の4つです。
- 感情を整理したい(離婚話で混乱している、落ち着いて考えたい)
- 夫婦関係を修復したい(対話や信頼を立て直したい)
- 自分だけで相談したい(相手が話し合いに応じない場合など)
- 子どもや家族全体の問題も一緒に考えたい
2. 探す方法を知っておく
日本では、心理カウンセラーを探せる場所はいくつかあります。次の5つが代表的です。
自治体(市役所・家庭相談センター)
低料金または無料で初期相談ができます。最初の一歩におすすめです。
病院(心療内科・精神科)
心理士が在籍していることもあり、医師の紹介で保険が使える場合もあります。
大学の相談室
心理学部のある大学では、安価で相談できるケースがあります。
民間のカウンセリングルーム
臨床心理士や公認心理師が対応。夫婦・家族問題に特化しているところも多いです。
オンラインカウンセリング
遠距離・別居中・仕事が忙しい場合など、時間や場所に縛られず利用できます。
3. 良いカウンセラーを見分けるポイント
探したあとに重要なのが「見極め」です。次のような点をチェックすると失敗が減ります。
- 国家資格(公認心理師・臨床心理士)を持っている
- 夫婦・家族の問題に詳しい(経験がある)
- どちらか一方に偏らず、中立的に話を聞いてくれる
- 料金や進め方が明確で、安心して相談できる
- 感情が高ぶった場面でも安全に話を進められる
4. 初回の問い合わせで聞くとよいこと
初めて問い合わせるときは、簡単な質問で大丈夫です。電話でもメールでもOKです。
- 夫婦問題の相談はできるか
- 料金と1回の時間、予約のとりやすさ
- オンライン対応が可能か
- 相手が来ない場合、1人でも相談できるか
無理に全部を一度に聞かなくても、2〜3項目で十分です。
5. 費用の目安
料金は相談先によってかなり差があります。だいたいの目安は次の通りです。
| 相談先 | 料金(1回あたり) |
|---|---|
| 自治体・公的機関 | 無料〜2,000円程度 |
| 民間(個人相談) | 5,000〜10,000円 |
| 民間(夫婦相談) | 8,000〜15,000円 |
| 病院(心理療法) | 保険がきく場合あり(要確認) |
初期費用を抑えたい場合は、自治体+オンラインを組み合わせる方法もおすすめです。
6. 注意すべきポイント(レッドフラッグ)
以下のようなカウンセラー
- 機関は避けたほうが無難です。
- 「必ず解決します」などと断言してくる
- 商品や宗教、講座などを勧誘してくる
- 守秘義務(秘密を守る)が不明確
- 3回受けても信頼関係が築けないのに方針変更がない
相性が合わない場合は、無理に続けず早めに別の人を探すことも大切です。
7. 簡単な検索キーワード例
ネットで探すときは、次のような言葉を組み合わせると見つけやすいです。
- 「夫婦 カウンセリング ○○市」
- 「家族療法 臨床心理士」
- 「不倫 信頼回復 カウンセリング」
- 「オンライン 夫婦 カウンセリング 夜間」
国家資格(公認心理師・臨床心理士)を持っている
離婚問題の相談では、感情面・コミュニケーション・信頼関係・時にはDVや不貞など、非常に繊細で複雑な問題を扱います。
そのため、安心して相談するためには、一定以上の専門知識と実務経験を持つカウンセラーを選ぶことが重要です。
ここで目安になるのが「国家資格」や「公的な専門資格」です。代表的なのは以下の2つです。
1. 公認心理師(国家資格)
(1)資格の概要
- 2017年に施行された日本初の心理職国家資格です。
- 文部科学省と厚生労働省が共管する国家資格で、心理支援の幅広い分野(教育
- 医療・司法・福祉など)で活動しています。
- 国家試験に合格し、登録を受けた人だけが「公認心理師」と名乗れます。
(2)資格取得の条件(主なルート)
- 大学・大学院で心理学の専門課程を修了
- 所定の実習・科目を修めた上で国家試験に合格
- 実務経験+国家試験合格で取得する社会人ルートもあり
(3)特徴・強み
- 国家資格のため、一定レベルの知識・倫理・実務訓練が保証されている
- 医療機関・教育機関・自治体・カウンセリングルームなど幅広く勤務
- 守秘義務が法律で定められている
- 離婚・夫婦問題など複雑なケースにも対応できる心理支援の基礎力がある
(4)離婚回避カウンセリングでのメリット
- 感情の整理、心理的安全の確保が得意
- 家族・夫婦の構造的な問題にも客観的にアプローチできる
- 弁護士や医療など他機関との連携経験がある人も多い
- 法律上の守秘義務があるため安心して話せる
2. 臨床心理士(公益認定資格)
(1)資格の概要
- 公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認定する資格です。
- 国家資格ではありませんが、心理専門職の中で長い歴史と高い信頼性を持っています。
- 1988年に始まり、医療・教育・福祉・司法など多方面で活躍しています。
(2)資格取得の条件
- 大学院(臨床心理学)を修了
- 実習・面接・筆記などの厳しい試験に合格
- 継続的な研修と更新(5年ごと)が義務付けられている
(3)特徴・強み
- 大学院で臨床心理学を専門的に学んでいる
- 心理療法・カウンセリング技法の実践に非常に強い
- 医療機関やスクールカウンセラー、公的機関に多く所属
- 国家資格ではないが、長年の実績から実力者が多い
(4)離婚回避カウンセリングでのメリット
- 感情面・関係面の深い部分に丁寧にアプローチできる
- 家族療法・夫婦療法など臨床的な支援技術を習得している人が多い
- 安全な話し合いの場をつくる力に優れている
- 夫婦の心理的パターンや根本的な問題を掘り下げることが可能
3. この2つの資格を持っていることの意味
公認心理師
- 臨床心理士を持っている人は、以下の点で安心して相談できます。
- 専門的な心理教育と実習を経ている(カウンセリング技法が体系的)
- 倫理規定・守秘義務が明確で、相談内容が漏れるリスクが低い
- 感情的な対立・複雑な家庭問題に対応できる力量がある
- 信頼できる公的な資格団体に登録されており、万一のトラブル時にも相談先がある
特に離婚回避の場合は、夫婦の対話がこじれた状態や、感情的な爆発、不貞
- DVなどの重大問題を含むケースが多いため、経験と資格の裏付けがある人でないと適切な対応が難しいことがあります。
4. 無資格の「カウンセラー」に注意
近年、ネット上や民間スクール出身者の中には、資格がなくても「カウンセラー」を名乗る人が増えています。中には優秀な人もいますが、以下のような注意点があります。
- 国家資格がないため、知識・技術・倫理基準がバラバラ
- 守秘義務が法律で担保されていない
- 離婚や家族問題に対して、科学的根拠の乏しいアドバイスをする人もいる
- 宗教・自己啓発・商材販売などが混ざっているケースもある
初期相談で信頼できるかを慎重に見極めることが大切です。
5. 資格の確認方法
心理カウンセラーを探すときは、必ず「資格の有無」を確認しましょう。
- ホームページやプロフィールに「公認心理師」または「臨床心理士」と明記されているか
- 公式資格登録検索サイト(公認心理師登録簿/臨床心理士検索システム)で名前が確認できる
- 初回問い合わせ時に「この分野の経験と資格について教えてください」と質問する
※資格を持っていても、夫婦問題の経験が乏しい人もいるので、「資格+実務経験」の両方を確認するのが理想です。
夫婦・家族の問題に詳しい(経験がある)
離婚問題のカウンセリングは、一般的な個人相談(ストレスや仕事の悩みなど)とは大きく性質が異なります。
夫婦や家族の問題は、感情・生活・価値観・関係性・過去の積み重ねなどが複雑に絡み合っており、専門知識と豊富な経験がないと、相談が空回りしたり、逆に関係を悪化させてしまうこともあります。
そのため、「夫婦・家族問題に詳しい」カウンセラーを選ぶことが非常に重要です。以下では、このポイントをわかりやすく段階的に説明します。
1. なぜ「夫婦・家族問題の経験」が重要なのか
離婚回避の相談では、次のような特殊な難しさがあります。
- 相談者が複数(夫と妻)で、立場や意見が異なる
- 感情のぶつかり合いが起こりやすく、話し合いが混乱しやすい
- 不貞行為やDV・モラハラなど、繊細で複雑な背景を含むことが多い
- 長年のすれ違い・価値観のズレなど、問題が深く根付いている
- 離婚や調停など、法的な動きと心理的な課題が同時進行する
これらに的確に対応するには、夫婦・家族関係の力学(ダイナミクス)を理解し、複数人の感情を安全に扱える技術と経験が欠かせません。
個人相談が得意でも、夫婦や家族相談の経験が少ないカウンセラーだと、問題の本質に届かないケースもあります。
2. 「経験があるカウンセラー」が得意とすること
夫婦・家族問題に詳しいカウンセラーは、以下のような対応が可能です。
(1)複数人(夫婦・家族)の感情を安全に整理できる
- 夫と妻、両方の言い分や感情を偏りなく受け止める
- 感情がぶつかったときも冷静に進行を調整する
- 一方が話している間、もう一方が攻撃的
- 防衛的にならないよう場を整える
(2)関係の「構造」を見抜き、すれ違いの根本を整理できる
- 表面的なケンカや出来事ではなく、その背後にある長年のパターンを把握する
- 「攻撃と回避」「支配と沈黙」など、夫婦関係の心理的パターンを客観的に説明できる
- 問題がどちらか一方だけにあると決めつけず、相互作用として整理する
(3)信頼回復・関係修復の段階的なプロセスを知っている
- いきなり関係改善を迫るのではなく、まず感情の安定→対話再構築→行動変化→安定化というステップを踏む
- 修復に時間がかかることを理解しており、焦らず伴走できる
- 冷却期間や個別カウンセリングといった手法の使い分けもできる
(4)不貞・DV・依存など重大事例への対応にも慣れている
- 不倫発覚後の信頼再構築ステップを知っている(開示・謝罪・行動変化・再構築)
- DV・モラハラの場合、合同面接ではなく安全確保を優先するなど、対応方針が明確
- 感情面と法的現実を切り分けながら、適切な外部機関とも連携できる
3. 具体的な経験例としてチェックすべきこと
カウンセラーを選ぶときは、プロフィールや初回面接で次のような情報を確認するとよいです。
- 夫婦・家族カウンセリングの実務年数(5年以上が望ましい)
- 年間の夫婦・家族相談件数(多いほど、幅広いケースに対応できる)
- 扱ってきたテーマ(不倫/信頼崩壊/会話ができない/別居中/再構築など)
- 夫婦・家族療法(EFT、Gottman法、家族療法など)の専門トレーニング歴
- 司法・調停・弁護士などとの連携経験があるか
プロフィールにこうした情報が書かれていない場合は、初回面接で質問しても構いません。良いカウンセラーは、質問に対して具体的に説明してくれます。
4. 夫婦・家族問題に詳しいカウンセラーが活用する主な手法
経験豊富なカウンセラーほど、以下のような理論・技法を使い分けています。
| 手法名 | 特徴・目的 |
|---|---|
| EFT(感情焦点化療法) | 夫婦の感情パターンを丁寧にほどき、安心できる絆を回復する手法。特に信頼崩壊後に有効。 |
| Gottman Method(ゴットマン法) | 科学的な研究に基づき、夫婦の会話・衝突・愛情表現などを段階的に改善する方法。 |
| 家族療法(システミックアプローチ) | 家族全体を「一つのシステム」として捉え、関係性の変化を促す方法。親子関係にも対応可能。 |
| 動機づけ面接 | 離婚を望む側・修復を望む側の温度差があるときに有効。相手の意志を尊重しつつ対話を進める。 |
これらの手法は、ただ「話を聞くだけ」の相談とは違い、構造的・戦略的に夫婦関係の回復を支援するものです。
5. 経験不足のカウンセラーにありがちな失敗例
夫婦・家族問題に慣れていないカウンセラーに相談すると、以下のようなリスクがあります。
- 相談の場が「夫婦げんかの延長」になってしまい、収拾がつかなくなる
- 一方の話だけを信じて偏った支援になる
- 不倫やDVのような深刻な問題に対して対応方針が曖昧で混乱する
- 長年の関係パターンを見抜けず、表面的な話し合いで終わる
- 問題の優先順位を誤ってしまい、修復のチャンスを逃す
どちらか一方に偏らず、中立的に話を聞いてくれる
離婚問題の相談では、夫婦それぞれが強い感情や主張を抱えており、対立構造がはっきりしているケースがほとんどです。
そのため、カウンセラーがどちらか一方の味方のような態度をとってしまうと、もう一方が心を閉ざし、修復のための対話が成り立たなくなるという深刻な事態になりかねません。
このような事態を避けるためには、中立的な立場で話を聞き、両者の気持ちや考えを公平に扱ってくれるカウンセラーを選ぶことが非常に重要です。
以下では、その理由と、良いカウンセラーの特徴、注意点、見極め方を詳しく説明します。
1. なぜ「中立性」が大切なのか
夫婦間のトラブルや離婚危機では、多くの場合、両者がそれぞれ「自分が正しい」「相手が悪い」という主張を持っています。そこにカウンセラーが加わると、無意識のうちに次のような構図が起こることがあります。
- 「味方になってくれた」と一方が安心し、他方が不信感を抱く
- 「攻められている」と感じた側が防衛的になり、話し合いを拒否する
- カウンセリングが“裁判”や“説教の場”のようになってしまう
- 本来の目的である「冷静な対話と関係再構築」が進まなくなる
中立性が保たれていないと、かえって関係修復が難しくなるのです。逆に、両者が「この人はどちらの味方でもない」と信頼できれば、安心して本音を話しやすくなり、修復への対話が進みやすくなります。
2. 中立的なカウンセラーの基本姿勢
夫婦・家族問題に強いカウンセラーは、次のような姿勢を一貫して保ちます。
(1)どちらの話も、まず「丁寧に受け止める」
- 一方の発言に対して、すぐに否定・評価・分析をしない
- 途中で口を挟まず、感情も含めてしっかり聞く
- 片方だけを特別扱いせず、同じだけの時間と関心を向ける
(2)一方的な非難や自己正当化を、そのまま通さない
- 相手を一方的に責め続けるような話は、そのまま受け取らず、整理して言い換える
- 「あなたが悪い」という言葉を、「あなたがこう感じたのですね」と置き換えるなど、感情と事実を分けて伝える
(3)両者の視点を“対等に”テーブルに乗せる
- 「夫の立場から見た出来事」と「妻の立場から見た出来事」の両方を並べて話し合う構造をつくる
- どちらの意見にも一定の理解を示しながら、全体像を一緒に整理していく
(4)「正しい・間違っている」を判断しない
- カウンセラーはジャッジ(裁判官)ではないため、どちらが悪いかを決めることはしない
- 問題を「勝ち負け」ではなく「関係のパターン」としてとらえ、建設的な対話へ導く
3. 中立性が特に重要になる具体的な場面
中立的な対応がとくに力を発揮するのは、以下のような場面です。
(1)一方が強く主張し、もう一方が口を閉ざすとき
→ 中立的なカウンセラーは、沈黙している側の気持ちを丁寧に引き出し、発言の機会を公平に与えます。
(2)過去の不貞やトラブルが絡んでいるとき
→ 「不倫をした側=悪」「された側=正義」と単純化せず、裏にある感情や関係の背景を整理しながら両者の対話を進めます。
(3)夫婦の間に温度差があるとき
→ 「離婚したい」と思っている側と「修復したい」と思っている側の間に立ち、どちらかに肩入れせず話を進行します。
4. 中立性を欠いたカウンセラーのリスク
もしカウンセラーが中立性を保てない場合、次のような問題が起きることがあります。
| 問題 | 結果 |
|---|---|
| 一方の味方になる | もう一方が不信感を持ち、カウンセリングが成り立たなくなる |
| 片方ばかり話す | 対話のバランスが崩れ、問題が一層こじれる |
| 無意識に偏る | 相談者が「先生も自分の味方」と勘違いし、相手をさらに攻撃する |
| 「どちらが悪いか」の判断を下す | 話し合いが裁判のようになり、修復の余地がなくなる |
このような状況では、むしろ離婚への流れが早まってしまうことすらあります。
5. 中立的なカウンセラーを見分けるポイント
初回相談やプロフィール、面接の際に、以下のような点を確認すると良いです。
- 相談の進め方が「どちらかを先に決めつける」形になっていないか
- 一方の話ばかり聞いて、もう一方を軽視するような態度がないか
- 発言の順番や時間配分が公平に行われているか
- 感情的な発言があっても、落ち着いて整理してくれるか
- 「ジャッジ」ではなく、「ファシリテーター(対話の進行役)」として機能しているか
良いカウンセラーほど、「私はどちらの味方でもなく、関係の再構築のためにここにいます」という立場を明確に示します。
料金や進め方が明確で、安心して相談できる
離婚問題で心理カウンセリングを利用する際、感情や状況が混乱している中で「料金や進め方があいまいなまま」相談を始めてしまうと、後からトラブルになることがあります。
逆に、事前に費用と進行内容が明確に提示されると、安心してカウンセリングに集中でき、継続もしやすくなります。
特に離婚回避のカウンセリングは数回で終わることは少なく、中長期的に取り組むケースが多いため、「安心して続けられる体制」を整えることが非常に重要です。
以下では、料金・進め方が明確なカウンセラーを選ぶためのポイントを、具体的に解説します。
1. なぜ料金と進め方の明確さが大切なのか
離婚回避カウンセリングでは、相談が1回で完結することはほとんどありません。多くの場合、数か月にわたり継続的にセッションを行いながら、感情整理→対話改善→行動変化→安定化というプロセスを踏みます。
そのため以下のような点が不明確だと、利用する側に大きな不安や不満が残ります。
- 「料金がわかりにくくて、毎回いくらかかるのか不安」
- 「回数や期間の目安が示されず、どれくらい続くのかわからない」
- 「カウンセラーが何を重視しているのか、進め方が見えない」
- 「いつまで経ってもゴールが見えず、費用だけが膨らむ」
こうした状況を防ぐには、最初の段階で料金と進行プランを明確に提示してくれるカウンセラーを選ぶことが欠かせません。
2. 料金が明確なカウンセラーの特徴
良いカウンセラーは、初回の時点で以下のような点をきちんと説明してくれます。
(1)1回あたりの料金・時間がはっきりしている
- 「50分で○○円」「90分で○○円」と明確に表示
- 夫婦カウンセリングと個人カウンセリングで料金が異なる場合も、事前に説明がある
- 初回料金と2回目以降の料金が違う場合も、理由と金額を明示
(2)支払い方法・キャンセル規定が明確
- 現金、クレジットカード、振込など支払い方法を明示
- キャンセルや日程変更の期限とキャンセル料があらかじめ説明されている
- 返金対応や途中解約の可否も説明がある
(3)追加料金や特別費用の有無がはっきりしている
- 書面作成や意見書提出など、オプション料金が必要な場合は明記
- 時間延長やオンライン対応で料金が変わる場合も説明
料金があいまいなままだと、「思ったより高額だった」「後で追加料金が発生した」というトラブルにつながるため、最初の確認がとても大切です。
3. 進め方が明確なカウンセラーの特徴
離婚回避カウンセリングは、感情的な話し合いになりやすい分、カウンセラーがセッションを構造的に進められるかどうかが効果を左右します。
良いカウンセラーは次のような形で、進め方(プロセス)を初期段階で説明してくれます。
(1)相談の全体像と流れを示してくれる
例:「最初の1〜2回は感情と状況の整理、その後は具体的な対話や行動の改善に移ります」
- 初期(危機対応・感情整理)
- 中期(対話改善・信頼回復)
- 後期(安定化・メンテナンス)
といった段階的な進行を説明できる人は、夫婦カウンセリングの経験が豊富な証拠です。
(2)1回のセッションの構成がはっきりしている
- 最初の10分:近況や出来事の確認
- 中盤:テーマに沿った話し合い・課題整理
- 最後の10分:まとめ・次回への課題設定
このように時間配分やテーマ設定が明確だと、話が脱線しにくく、毎回の進捗がわかりやすくなります。
(3)目標と期間の目安を共有してくれる
- 「最初の3か月で感情整理と対話の土台作りを目指しましょう」など、ゴール設定がある
- 状況に応じて進行を柔軟に調整してくれる
- 回数や期間の目安(例:月2回×3か月→月1回×6か月など)が提示される
ゴールが見えないまま続けると、相談する側も「本当に意味があるのか」と不安になってしまいます。進め方が見えると安心して取り組めます。
4. 不明確なカウンセラーにありがちな注意点
料金や進行をあいまいにしたまま始めるカウンセラーには、次のようなケースが見られます。
| 問題点 | 具体例 |
|---|---|
| 料金体系が不透明 | 「そのときによって変わる」「来てから相談しましょう」など |
| 回数や期間が曖昧 | 「とりあえずやってみましょう」だけで進行の説明がない |
| 進行がその場任せ | 毎回のセッションが雑談的になり、具体的な進展がない |
| 費用面の説明不足 | 延長や資料作成で追加費用が後から発生する |
こうした場合、信頼関係が築きにくく、カウンセリングの継続が難しくなる傾向があります。
5. 初回に確認しておきたいチェック項目
相談を始める前に、次のような質問をしてみると安心です。
- 1回の料金と時間は?(夫婦と個人で違いはあるか)
- 支払い方法とキャンセル規定は?
- 全体的な進め方と目安期間を教えてください
- どのようなペースで通うのが効果的ですか?
- 延長や特別対応で追加料金がかかる場合はありますか?
これらを丁寧に説明してくれるカウンセラーは信頼できます。逆に、質問をはぐらかしたり、明言を避ける場合は注意が必要です。
感情が高ぶった場面でも安全に話を進められる
離婚危機の話し合いでは、お互いの感情が激しくぶつかり合う場面が避けられません。
特に、過去の不満・裏切り・不信・傷ついた出来事に触れると、怒り・涙・拒絶・攻撃など、感情が一気に爆発することがあります。
こうしたとき、カウンセラーがその場を安全にコントロールできるかどうかが、修復の成否を大きく左右します。
優れたカウンセラーは、感情が高ぶっても話し合いが破綻しないよう、場を整え、感情を受け止め、対話の軸を保つ技術を持っています。
以下では、その重要性・具体的な対応技術・見極めのポイントを詳しく説明します。
1. なぜ感情の高ぶりに対応できることが重要なのか
離婚危機の話し合いでは、次のような場面が頻繁に起こります。
- 不貞行為や裏切りへの怒りが噴き出す
- 長年我慢していた不満が一気に爆発する
- 相手の言葉に過敏に反応して口論になる
- 過去の傷に触れた瞬間に涙が止まらなくなる
- 「もう無理」「話したくない」と一方が拒絶的になる
このような感情の高ぶりは自然な反応ですが、適切に扱わないと話し合いが感情的な衝突に変わり、逆に関係が悪化してしまう危険があります。
そこで重要になるのが、カウンセラーが「安全な対話の場」を守る役割です。
2. 良いカウンセラーが感情の高ぶりに対応する基本姿勢
感情が爆発する場面でも話を進められるカウンセラーは、次のような姿勢を徹底しています。
(1)感情を「否定せず・評価せず・受け止める」
- 「そんな言い方はダメ」と叱るのではなく、まず気持ちを受け止める
- 怒りや涙を「問題」とは見なさず、「大切なサイン」として扱う
- 感情の裏にある本音(悲しみ
- 不安・孤独など)を丁寧に引き出す
(2)その場の「安全」を最優先にする
- 感情が激しくなったときは、すぐに話し合いを止める勇気を持っている
- お互いが落ち着けるよう、一時的な休憩を提案する
- 相手を追い詰めたり、一方的に非難が続く状態を放置しない
(3)冷静な第三者として、対話の軸を立て直す
- 感情の渦に巻き込まれず、落ち着いた口調で進行を整理する
- 話が脱線しても「今はここに戻しましょう」と方向を戻せる
- 両者の発言を中立的に言い換え、対話の再開をサポートする
3. 実際の場面での対応例
以下は、感情が高ぶったときの具体的な対応例です。
例1:一方が怒りを爆発させた場合
【悪い対応】
- 「落ち着いてください」と繰り返すだけで話が進まない
- 相手をなだめることに終始し、もう一方が黙ってしまう
【良い対応】
- まず「その怒りには長い時間が関係しているようですね」と気持ちを受け止める
- 「今はこの気持ちを丁寧に整理する時間にしましょう」と軸を変える
- 相手が攻撃的な言動になった場合は、「この話し方だと相手に伝わらない可能性がある」と冷静に指摘し、場を守る
例2:一方が涙を流し、話が進まなくなった場合
【悪い対応】
- 泣いている側を放置し、もう一方の話を進めてしまう
- 「泣かないで、話を続けましょう」と急かしてしまう
【良い対応】
- 「ここで涙が出るほど、心の中に大きな思いがあるのですね」と気持ちを受け止める
- 必要であれば少し時間をとって感情を落ち着かせる
- もう一方にも配慮しながら、対話を止めずに再開のきっかけをつくる
例3:激しい口論になった場合
【悪い対応】
- 2人の言い争いに巻き込まれて進行が混乱する
- どちらか一方を注意して終わりにする
【良い対応】
- 「今はお互いに言いたいことがぶつかってしまっています。一度整理しましょう」と話を止める
- 両者の主張を中立的に要約し、「ここからどう進めるか」を冷静に提案する
- 安全を確保したうえで、再び話を進行する
4. 感情の高ぶりに強いカウンセラーが持つ技術
経験豊富なカウンセラーほど、以下のような心理的スキルを組み合わせて使っています。
| 技術名 | 内容・目的 |
|---|---|
| アクティブ・リスニング | 感情や背景を深く理解するための「傾聴技術」。怒りの裏にある本音を引き出す。 |
| 感情のラベリング | 「それは怒りですね」「深い悲しみを感じますね」と、感情を言葉で整理し、安全な空気をつくる。 |
| デ・エスカレーション | 感情の激化を意図的に鎮める技法。間をとる、話題を整理する、休憩を入れるなど。 |
| 再構成・リフレーミング | 攻撃的な言葉を中立的に言い換えて、対話の再開を促す。 |
| 構造化された進行管理 | 脱線や口論を防ぐため、話の順序・時間配分・テーマを明確に保つ。 |
5. カウンセラーの力量を見極めるポイント
初回相談や体験セッションで、次の点に注目すると「感情対応力」のレベルを判断しやすくなります。
- 感情的な話をしても、慌てず落ち着いて対応しているか
- 両者の発言を中立的に整理
- 言い換える姿勢があるか
- 怒りや涙を否定せず、自然に受け止める雰囲気があるか
- 話が脱線したとき、軸を戻す力があるか
- 必要に応じて「一度整理しましょう」と場を止める判断力があるか